山形県南陽市赤湯温泉ふるさと祭り!歴史ある温泉街で綱引きの起源を感じる

老人の日ってご存知ですか?祝日にあたる敬老の日の前日のことを言います。その週は敬老ウィークとされて、先人やこれまで日本国を支えてきた方々を敬う1週間とされています。その老人の日に、山形県南陽市では「赤湯温泉ふるさと祭り」が開催されました。まだまだ残暑が残っておりましたので、米沢藩・小山道場の残暑払いとして門下生たちと一緒に赤湯温泉入浴ならびに祭りに行ってきました。実は、全員このお祭り期間中に赤湯温泉に来たのは初めてです!
赤湯温泉とは






南陽市の観光名所である烏帽子山の麓に位置していて、平安時代初期には、第三代天台宗座主であった慈覚大師・円仁が修行をしていた場所にあります。
寛治7年(1093)に源八幡太郎義家の弟・源義綱が赤湯温泉を発見した伝説の温泉街です。米沢藩上杉家の湯治場として利用され、第九代米沢藩主・上杉鷹山公やその養子である治広公などが訪れています。その時に、私の先祖も一緒に同行しています。寛政年間(1789〜)温泉番付の東の前頭として米澤湯赤湯ノ湯が登場します。古くから修験の温泉地として知れ渡っていた有名な温泉街です。
赤湯温泉街は、歴史ある温泉だけでなく名所が米沢藩時代の密教・修験道の参詣道の名残が多々あります。以前書いた以下の記事もあわせてご覧いただき、ぜひ、巡ってみるとより楽しめると思います。
美しい紅葉は極楽浄土の証!南陽市・桜名所烏帽子山の紅葉と修験道調査
南陽市赤湯温泉ふるさと祭りとは


毎年9月に行われる烏帽子山八幡神社の例大祭と、温泉街の秋祭りが一緒になった 赤湯温泉ふるさと祭りです。メインストリートとなる赤湯温泉大通りに出店が出て、烏帽子山や各通りで地元の小学生によるパレードや男みこし女みこし、迫力ある伝統の暴れ若獅子が見られます。
詳細は南陽市のホームページをご覧ください。動画などもご覧いただけます。
赤湯温泉ふるさと祭り
おにぎりとおでんが名物
地元民で賑わう山映でランチ



土砂降りに見舞われながら赤湯温泉街に到着するなり、地元の人々で賑わう山映でランチを食べました。雨だったことが幸いして全員一緒のテーブルに座ることができました。このお店は、いろんなメニューがあり、特に人気なのはおにぎりとおでんです。そして、お昼からお酒を楽しむこともできるんです。それぞれに、好きなものを頼んでランチ宴会をしました。すると、太鼓の音が聞こえてきて、子供達の白虎獅子がお店の前を通過していったので、お賽銭を上げて御神酒をいただきました。私たちが「わーわー、きゃーきゃー」と騒いでいたので、地元のお母さんたちが「どこからきたんだ?」と話しかけてきてくれました。お祭りの時に、地元の人たちとの触れ合いもまた一興です。
元・修験者の温泉宿丹波館で入浴
丹波口から烏帽子山八幡宮へ



ランチの後は温泉に入りました。お祭りの日は、赤湯湯元の共同浴場は無料で入浴できます。ただ、今回は門下生の皆様に歴史を感じてもらいたかったので丹波館に入浴しました。丹波館の露天風呂には烏帽子山の岩肌が見える羽衣岩があり、それは江戸時代からの観光の名所なのです。その岩を拝みに、多くの修験者が赤湯温泉を訪れました。入浴した時間帯もちょうどよく、羽衣岩を見ながら入れるお風呂は女湯でした。
また、烏帽子山八幡宮へ丹波館の真横から登れる参道があります。実は、そこには修験者がそこから登った証拠になる史跡がまだ残っています。それを紹介して、歴史の道を感じてもらいました。もし、修験道に興味を持っている方は、赤湯温泉街に行かれた際は丹波口から登って探してみてください。ウォーリーを探せよりも難易度が高い場所に史跡が残されています。
烏帽子山八幡宮で御神酒をもらって乾杯し、参拝後は慈覚大師円仁と烏帽子山の歴史や米沢藩の修験道の紹介しながら散策しました。烏帽子山から降りてくると、ちょうど暴れ若獅子が街に繰り出してきていました。激しい太鼓の音と共に、とうとう綱を引き合う獅子が見られます。日本伝統の綱引きの起源を今に伝えているお祭りです。
烏帽子山と赤湯温泉街を舞台に
綱を引き合う暴れ若獅子
暴れ若獅子が始まる烏帽子山から綱引きをして一気に駆け降りるシーンを動画で撮影できました。赤湯温泉街の綱引きは、町中が舞台になるのです!
今回はあいにくの雨でクライマックスまでおりませんでしたが、南陽市赤湯温泉ふるさと祭りは、地元の男たちの勇ましさを子供達に伝えようとしているようでした。

最後まで記事をお読みいただいてありがとうございます。仕事や講演の相談もお気軽にどうぞ。米沢藩・小山道場講師。江戸幕府から米沢藩士になった藤原氏の末裔。【古武道流派】九鬼神流棒術(紀州熊野)/甲源一刀流剣術(甲斐)/浅山一伝流体術(会津)【所属団体役職】置賜民俗学会(会員)/米沢商工会議所(議員)【職業】HanaCinema株式会社/映像・ウェブクリエイティブディレクター。