美しい紅葉は極楽浄土の証!南陽市・桜名所烏帽子山の紅葉と修験道調査
こんにちは。米沢藩・小山道場講師の小山です。
日本桜名所・烏帽子山公園の紅葉が実はキレイです。
旧赤湯村(南陽市赤湯)にある江戸時代に東の名湯のひとつに数えられた温泉街です。
ランチに赤湯ラーメンがおすすめです。
温泉街でも店名に龍の文字が入ってるお店が目につきます。
創業30年の「小龍姫」
隣の人が食べてるのと同じものと注文したらその常連さんが「皆んな大好きラーメンセットだよ」と、笑顔で教えてくれました。
若い頃に南陽市の山の方からお嫁に来たというお店のお婆ちゃんが、最近の赤湯温泉街のことを色々教えてくれました。
帰り際に「腹一杯!美味かったぁ」と言ったら「また来いな!」と笑顔をくれました。
さて、紅葉が美しい「烏帽子山」
明治24年に烏帽子山八幡宮が移転再建され、その美しい庭園は偕楽園と呼ばれていました。境内には、継ぎ目ない日本一大きな石鳥居がそびえ建ち、烏帽子山の名前の由来になった〝えぼし石〟とその伝説が残っています。
〝塩釜明神より慈覚大師(円仁)の方へ
使いの神来たり〟〝問答(修行)終わり塩釜に帰らんとする時
上杉古文書「米府鹿の子」より/烏帽子石の由緒書にもあり
えぼし石置きたる石なり〟
時は平安時代です。日本遺産にもなっているかの有名な縁切り寺「山寺」かの有名な縁結び寺「若松寺」を開山した天台宗密教僧・円仁がここで修行していたことを示しています。そこに、陸奥国鎮護の塩釜神社(現、宮城県塩竈市)の神官が修行に来たようです。えぼし石を境内に運べるぐらい大勢でやって来たことがこの伝説から見てとれます。
鎌倉〜室町時代には、そこに板碑が掘られたようです。生まれ変わる修験者の魂を供養する山岳信仰です。
烏帽子山八幡宮の隣には、神仏習合の若松観音堂がひっそり祀ってあります。そこには山岳信仰の石碑やお堂があります。
さらにその隣には、円仁が修行していた湯新山東正寺があります。
山門に〝草木供養塔〟が建っていました。修験道がある証拠です。
実は草木塔は現代の学術思想で認識されているものとは異なり、密教の意味合いを持つ石碑です。
二色根山や秋葉山に続くトレッキングコースが残っていました。そしてその麓には、米沢藩上杉家の湯治場である御殿守があります。私の先祖も上杉鷹山公にお供してここに来たことが、上杉文書の先祖由緒帳に残っています。御殿守はただの湯治場ではなく、この地を守るためにあった別邸だということを示しています。
御殿守の裏手にある「龍神水」からは石段が伸びていて烏帽子山へ登ることができます。
仏教、神仏習合、神道、美しい庭園。そして…修験道へ。
この烏帽子山には、それらを守り抜いた赤湯の人々の想いと、米沢藩と山岳信仰の歴史が封印されて美しい公園として現在に残っています。
ぜひ、烏帽子山公園全体を歩いて楽しんでみてください。
よろしければ、ドラゴンロードガイドいたします。
薬師如来座像
最後まで記事をお読みいただいてありがとうございます。仕事や講演の相談もお気軽にどうぞ。米沢藩・小山道場講師。江戸幕府から米沢藩士になった藤原氏の末裔。【古武道流派】九鬼神流棒術(紀州熊野)/甲源一刀流剣術(甲斐)/浅山一伝流体術(会津)【所属団体役職】置賜民俗学会(会員)/米沢商工会議所(議員)【職業】HanaCinema株式会社/映像・ウェブクリエイティブディレクター。