知らぬが仏か…米沢市窪田の調査と山岳信仰と「千と千尋の神隠し」の世界観

金峯山千眼寺・保呂羽堂の門

こんにちは。米沢藩・小山道場講師の小山です。
千と千尋の神隠し」の世界観が山形県にあります。

旧窪田村(現、米沢市窪田町)にある保呂羽堂です。ホロワドウと読みます。フォロワーどう?みたいな名前ですね笑

ここの手水舎にいるのは珍しい〝蛙〟です。
一般的には龍だったり竹だったりしますが、ここは蛙なんです。まだ人になってない蛙です。

この隣の 千眼寺 には 湯殿山碑 があります。
「語るなかれ」「聞くなかれ」その山の御神体は名前の通り〝温泉〟です。

実はこの蛙は〝修験者〟を表しています。

千と千尋の神隠し」では、神々の湯屋で働いている〝白装束の蛙人〟や〝白ふんどしの蛙〟が登場します。名前の字を奪われて、本当の名前を忘れてしまった主人公・千(千尋)の周りで蛙が物語を彩っています。この大ヒットしたアニメ映画と山形県の山岳信仰は共通点がいっぱいあります。

でも、現代の人々はそれに気づけません。
それはクリエイティブで大人気でした。

現代の国内の人気スポットが「西のユニバ・東のディズニー」なら江戸時代まで時を戻そうものなら「西の伊勢参り・東の奥参り」です。「東の奥参り」とは、山形県を中心とした山岳信仰のことです。
人気テーマパークのように栄えた入場口はもう人々の記憶から忘れ去られました。まさに千と千尋の神隠しのエンディングみたいに。

では、この保呂羽堂の手水舎ではなぜ修験者が水を吐いているんでしょう??

それは、山岳信仰の歴史と時のお殿様、昔この地域で生きていた祖先らの信仰に想いを馳せなければ理解に及ばないでしょう。
そこに、米沢藩の本当の歴史が隠れています。

ひとつここで言えることはこの御堂を建てた人がそうだったのでしょう。
上杉家軍奉行の色部修理進勝長です。日本国内史上最大の大戦「川中島の合戦」で上杉謙信公より血染の感状を貰った、上杉家に最も信頼された重臣の一人です。毎年、春の米沢上杉まつりの武禘式で「エイエイオー!」と先達している武将です。その末裔は幕末の戊辰戦争で新政府軍と戦って命を終えました。

保呂羽堂

そんな色部氏が山中から大事に持ってきたのがこの 保呂羽堂 なんです。

もし、ご興味あれば探してみてください。
千と千尋の神隠し」の世界に迷い込んでしまうかもしれませんが(笑)

よろしければ、ドラゴンロードガイドいたします。

千と千尋の神隠し

修験道(探求)

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