大人の習い事は体を動かして「和み」を作るコミュニティー!古武道特別体験会2025春が修了

修了証を受け取る古武道体験の参加者

こんにちは。米沢藩・小山道場講師の小山です。

このたび、全4回にわたる古武道特別体験会2025春の超入門コースが無事に修了しました。修了証を手にした参加者の皆さま、そして指導に協力してくれた門下生とともに記念写真を撮影しました。初日の緊張した空気とは打って変わって、笑顔あふれるこの一枚は、私たちにとってもお気に入りです。

「和をもって貴しと為す」古武道は和みのコミュニティー

古武道は、初対面の方同士でも自然と打ち解けられる不思議な力があります。稽古を通じて呼吸や動き、礼を共有することで、お互いへの敬意と信頼が生まれてくるのです。大人の習い事として、身体を動かしながら新しいつながりを築けるのは、古武道ならではの魅力です。

最近では、フィットネスジムなどで運動する方も増えていますが、そこではあまり人との交流がないことも。古武道は、稽古の中に自然な会話が生まれ、礼儀や助け合いの精神の中で穏やかなつながりが育まれます。

「礼に始まり、礼に終わる」――この基本作法があるからこそ、安心して学び合える空間が生まれます。

日本に古くから伝わる「和をもって貴しと為す」は、聖徳太子が定めた17条憲法の第一条。競い合うのではなく、調和・和合をもって共に在る。この精神こそが、古武道の根底にある価値観であり、私たちが大切にしている教えです。

競い合うのではなく、和をもって国を治める

稽古の終わりには、年齢や立場の違いを越えて、仲間としての絆が自然と芽生えていました。体を動かすだけでなく、礼儀や思いやりも育まれる。それが、現代の大人にとって貴重なコミュニティーとなる理由です。

古武道特別体験会(米沢市営武道館)

教えることは、教わること――学びある習い事

小山道場の体験会は、1コース全4日間で行います。これは、古武道が頭で理解するものではなく、身体で感じて身につけていくものだからです。現代の教育やスポーツとは異なり、古武道独自の身体の使い方や考え方を体感するには、ある程度の時間が必要です。

実際、4日目の稽古では、皆さんの構えや姿勢に明らかな変化が現れ、「力まない動き」が少しずつ身についているのを感じました。

また今回も、希望する門下生に参加者の指導を体験してもらいました。人に教えることで、門下生自身が多くの気づきを得られます。「教えることで学ぶ」――これもまた、武道における重要な学びの一つです。

言葉ではなく、身体を通して感じる。
そうして日本文化の深層に少しずつ触れていく。

それが、古武道を習う醍醐味だと思っています。

体験会を通じて、入門からわずか1年の門下生たちも大きく成長していました。古武道は、大人になってからでも確かな変化と成長を実感できる稀有な学びです。

今回の古武道特別体験会も、学びと楽しさにあふれた充実した時間となりました。何より嬉しいのは、参加者全員が仲良くなれたことです。

ここで生まれたつながりは、ただの交流ではなく「共に武道を学んだ同志」としての信頼です。この関係性が、地域に古武道道場がある意義そのものであり、私たち実践者だからできる使命でもあります。

入門を決められた方もおり、道場のレクリエーション活動にも多くの方が関心を寄せてくださいました。地域で人と人とがつながる――それが、古武道が果たすもう一つの役割です。

今回もご参加いただき、古武道を楽しく学んでいただき、誠にありがとうございました!

古武術体験会を終えて全員仲良くなる日本人の記念写真「和をもって貴しと為す」

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第一義
江戸時代(今より150年以上前)まで武術や武芸の流派として体系化されて、現代まで守り受け繋がれている日本古来の武道のことです。言ってしまえば〝国を守るために侍が身につけた武術〟です。現在、日本には100以上の古武道流派が残っています。剣術、柔術、槍術、弓術、砲術 etc...これらが現代武道の原点です。米沢藩・小山道場では、上杉謙信公の「第一義」の扁額と共に古武術稽古ができます。